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マジカルコンクリフト

ある要素と、ある要素を掛け合わせることで、それまでどちらも持っていなかった新しい要素を生み出すことができることがある。
その状態や性質によって呼称は違うが、だいたい相乗効果とか食べ合わせとか化学反応とかそういうふうに呼ぶ。
万能と思える魔法にもこういった現象は起こりうるもので、プラスに働くものは総じて「クロス」「プラス」「合体」とか「ミックス」なんて呼ばれている。
一方でマイナスに働くこともあり、この場合の呼称は「コンクリフト」とか「相殺」という共通の用語が用いられている。
相殺では共に消滅してしまっているので、ここではコンクリフトについて記述する。


マジカルコンクリフト

魔法同士が相互に干渉し合ってうまく発動されなかったり、発動後にお互いを打ち消し合ったり、お互いのバランスを崩してしまい予期せぬ方向に軌道がそれてしまったり、強力な毒素を放ってしまったり、制御ができなくなり術者の精神力を大幅に削いでしまったり、コンクリフトのバリエーションは多い。
どういった場面でこのコンクリフトが発現するのかは未だよくわかっていないのが問題である。


というのも、魔法とはそもそもがデリケートな性質から成り立っているので、その発動に要する魔力はもちろん、周囲の環境から術者の精神状態や周囲の空気感まで、ありとあらゆるものが発動に干渉を起こしている。
この点からの憶測でしかないが、普段はクロスを起こして効力を増していた術の掛け合わせも、なんらかの要因で術に込められたエネルギーバランスやエネルギーの波長に乱れが生じて、お互いの波とぶつかり合ってしまいうまく整合性を保てなくなる、もしくはお互いの波がお互いの波の形を変化させてしまい、結果として別物を生み出してしまうことになる。


またこれが面白いことに、コンクリフトを起こして魔法が失敗した、と思ってもそれが後にかえっていい効果へと繋がることがあり、この場合はコンクリフトとは呼ばなくなる。分かりやすい例は「炎と雷が煙になってしまったが、実際には大気中に電力を保持したまま充満していて、次の雷撃を放った瞬間に一斉放電されて威力が増した」など。


原因がわからなければ対処法も分かっていないが、一発逆転の可能性も同時に生み出す(かもしれない)ランダムな性質がまさに魔法らしいと言えばそうである。