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異界への門番
通行人を裁く護りの獣
世界の終点には異世界・異空間へとつながる扉があり、その門前には扉をくぐるに値するかを見極めるために門番が配置されているのだとか
その門番は悪魔の石像< <ガゴイール>>、双子の守り神< <イヌコマ>>、神獣< <シサ>>など複数体がおり、実に聡明で強大な実力をもった選りすぐりの獣が選ばれてると言われています
中には他の世界に渡ろうとした強力な神力を持つ神獣をその身たったひとつで退けた話もあるそうです。無論、世界の終点や異世界への扉自体が迷言として言い伝えられマトモに信じているヒトなど少ないし、事実としてその目で見た者はいません。ましてや、その存在がなければこの記事の主題である異界への門番すらいないことになります
ではなぜ上記に”見たような口振り”の情報が記載されているのか
ボクのもとに一通の手紙と扉が写った写真が届きました。しかもその差出人は、ボクの友人でもある、有名なジャーナリスト< <ナナシビ>>さんからでした。彼は数年前に「世界を垣間見た」と言って目的も告げずに旅に出ていきました。それ以来まるっきり連絡は途絶えていました。そして先程上げた手紙が久しぶりに手紙でした。その彼がボクに伝えたかったことがたった一文の手紙とこの写真でした。
文面には
「真実へ続く扉 守護神 これをカナガに託す」
これだけが書かれていました。
正直、この文を見た時何がなんだかサッパリわかりませんでした。ナナシビさんの気が狂ったのかとも考えました。しかし写真に写る奇妙な風景に違和感を覚えたボクはここまで調べ上げることができました。
おそらく、この文と写真に隠された謎はまだ深くあるでしょう。しかし、それを解くためにボクはけじめとしてこの資料を此処に記します。
――ミズヨシ=カナガ