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ふにゃ?わにゃ・・・ぐにゃ!
さわって楽しむ体感アート、その名も「ゲルゲル」!
南国で密かに生まれ、閉鎖的な文化圏で静かに語り継がれて独自の進化を遂げた前代未聞の不思議な物質「ブニャータ」。
植物のように一ヶ所にたたずんで、時々笑ったり踊ったりする奇怪な物質から抽出されるそれは、他に形容しがたい感触を持っているのです。その他ならない質感はまさに芸術!
もともとブニャータは、その地域の祭事に神へと捧げられる神具でした。
さわるととても柔らかく、放置すれば液体のように伸び広がっていく。しかし見た目はとても固そうで、そのギャップがとても大きい。
原住民にお話を聞いてみたところ「内に秘めた感性の掴めない具合と、何人にも現せない神の真の姿を表現するのに相応しい」ために、古くから用いられてきたのだとか。
ブニャータのひろがり
ブニャータが外界に伝わったのは、割と最近のことです。
野生の凶暴な怪鳥ギャルグルセアにさらわれて上空高くで振り落とされた民謡伝道師のモッキュー氏は、運良くブニャータの積み上げられた祭壇に着地し、怪我ひとつなく無事に生還することができました。
もちろん、驚いたのはモッキュー氏だけではありません。遥か空の上から舞い降りて、しかも神に捧げた神具の中から無傷で登場したのですから、原住民は彼こそが神、もしくは神からの使いの者だと信じて疑いませんでした。
モッキュー氏は「これほどの肌触りと弾力と暖かみを持った物質はもはやそれ自体が芸術だ!ぜひとも世界中の方々にこれを伝えたい!」と思いました。
原住民は「神が告げている!逆らう理由が無いぞ!」と思いました。
しばらくの宴の後、原住民はブニャータのなる木(?)の苗(?)と少しばかりのブニャータをモッキュー氏に託し、地平線の彼方に見えなくなるまで見送りを続けたのだそうです。
話が逸れたので戻しましょう。
ブニャータは、とても素晴らしい触り心地の芸術的な物体です。
つい先日これを模倣して「ゲルルン」とかいう液状の物体も開発されたそうですが、これは比較すれば屁でもない。ぜひ本物の体感芸術を、あなたにもお楽しみいただきたい!そう切に願っております