Atradium

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海藻デュータル

海女神の怒りを買った

寒冷な海でよく育つ異質な海藻。
海底に根をはり数年かけて20~30mまで育ち、分裂して海を漂い増殖する。
海の女神のひとり「パール」が足を引っかけて躓いて転んで怒り、「誰にも喰われぬほどマズい味」にされた伝説がある。


外見と味の特徴

最も長い年月を過ごした深度(水圧)によって表面の色が変わる性質がある。
浅ければ浅いほど赤みを帯び、深いと濃い緑に近づく。
色以外に変化は無く、いつでもマズい。

葉はぬめりが強く、しばしば長い糸を引く。
茎はしなやかで若干伸びる。加えてデュータル同士で絡まることがある。
(この絡まりによって繁殖が行われているという研究報告もある)
恐らく女神はこれに躓いた。また当時女神は独身だったとかふられた直後だったとか。

加熱すると怪しげな香りを発する。
種族によってはこれにより失神したり、ハイになったり、アレルギー反応を示したり、様々な予測不可能な事態を引き起こす。
もっとも香りが強く出る「いちょう切りにしてから叩いて干し、いぶす」行為はハイリスクノーリターンなため、国や街によって堅く禁止されている。裏路地ではこの薫製が取引に使われていた時代もあった。

凍らせたまま細かく刻み、トマトと一緒に熟成させると万能薬になる。が、頭が悪くなる。
常温で乾燥させたものをミマーチの樹皮とあわせて雷にあてると、いかなる傷でも瞬く間に完治し、失った組織でも復活する奇跡の物質が生み出せる。ただしこれを使うと体質が急変し、場合によっては上述の香りが無いと呼吸すらできなくなるほどの中毒体質に陥ることもある。
ぬめりを抽出して動物の骨の粉末とよくまぜ、頑丈なケースに閉じ込めてから内側で爆発させると、妖精が生まれることがある。

確証はないが栄養は豊富らしい。
ただどれだけ食べても太らないのは、食べた本人が後で吐いているからなのか、胃下垂になるからなのかはハッキリとしていない。