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伝説の『時の』冒険者

伝説の男

時を操る能力とともに世界地図を広げていった伝説の男「リドヴェンツ=ガルルヴァンス=ストライク」。
ある時を境に忽然と消息を絶ちその後の行方は誰にも知られていないが、彼が旅人の前に姿を現しては行くべき道の助言を受けたという話は今でもたまに聞こえてくる。
そんな不思議な彼の残した遺産からいくつか興味深いものをピックアップした。後世に語り継ぐ際の参考になれば幸いだと思う。



まず始めに断りをいれておこう
・彼の出生や年代記は彼自身の能力である「時」の影響から特定することができない
・彼は消息を絶っていることから形式上は「旅を終えた」こととなっている
・彼の「時」の能力の詳細は謎に包まれている


1.リドヴェンツの発見

 大陸の発見や魔法発動の簡易化、古代文字の解読など、彼の伝記にはあらゆる功績が讃えられているが、最も大きな発見はいうまでもなく「広がり続ける大地」だ。世に星の数ほどいる旅人達がこれだけ長い歴史の中でいつまでも冒険を続けられる理由。『万物は有限である』と、大賢者「モルビモロー」が宣言した直後にそれを翻してしまったという小話を知らないものはいるまい。


2.リドヴェンツによって開拓された新天地

 学者も賢者も冒険者達も、そしてそれまで永住を決意していた者も、彼の『無限世界』の宣言を聞くと目の色を変えて大地を踏み荒らした。間もなく知識人達はこれが正しいと表明したことで時代はひとつの節目を迎えた。リドヴェンツが「有限」の篭の中から冒険者達を外の世界へ誘った瞬間のことである。


3.現代へ残した「問題定義」

 勿論彼とて全知全能ではなかった。しかし彼はそれを求めていたこともまた事実である。これは自身がそう発言していたことを、供に冒険をしたことがあった剣士「ハーヴェルマン」が明言している。リドヴェンツは新たな発見の度に自身の知識の浅さを嘆き、目にするもの耳にするものが初めてである度に経験不足だと自分を非難していたという。そして彼は不明なことが眼前に存在していることを酷く嫌い、一刻でも早く正体を突き止めようと研究を重ねたという。
 しかし彼が消息を絶つ直前まで、解決されなかった問題がいくつか残っている。その中のひとつが「エフィル」である。