Atradium

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エフィルと呼ばれるモノの概要

このレポートについて

冒険者が旅先で度々接触するエフィルについての概要を、独自の調査団の報告を基にまとめた。ここでは自衛手段や接触回避について記載しないため、現役の冒険者様にこの文書はお勧めしない
学術的な見解、移行のエフィルに関するレポートを作成する際に利用していただければと思う

【目次】
エフィルの定義
エフィルの位置づけ
エフィルとライフの共通点
エフィルの分類
注釈



1.エフィルの定義

スタンスフォートに存在する全ての存在は、大きく2分することができる。
これは1日の間のある時点を境に、活動と休止が入れ替わる共通の生体に着目したものである。

東の地平に陽が差すと、ライフは眠りから覚めて1日の活動を開始する
 (同時にエフィルは干渉を避けるように休息を取る)
西の地平に陽が沈むと、エフィルの眠りが覚めて1日の活動を開始する
 (同時にライフは恐れを抱いて逃げるように避難する)

上記は資料館文献:〔301 ライフ〕No.08221
にも同様の文を記載しているが、この事実よりエフィルは世界の”陰”を司る者と定義する。


2.エフィルの位置づけ

 自我を一切持たない個体や、実体を持たずに霊体として活動できる個体、肉体の多くを欠損して尚支障なく活動できる個体が存在する。これらの特性は陽の時間帯で活動する存在に見られる事は極稀である。これらは外部からの呪術による遠隔操作等をうけず、自立した動作である事が前提条件である。以上の条件をライフが満たす事は不可能であり、その所以はライフが「命」に依存しているためだと思われる。
 即ちエフィルとは「命」への依存なしに活動できる個体である
 また、陽と陰は対局である。
 以上の観点からエフィルは「死の属性を持つ存在」と表現できる。

※しかしエフィルもライフと同様に、最後は消滅してしまう。そのため単に「命が無い」とは言い切れないのが現状である。


3.エフィルとライフの共通点

・文化的活動を有する
・条件は不明であるが、最期には消滅してしまう
・動物と植物があり、個体を構成する組織も同様である
・食事・睡眠(休息)を必須とする
・繁殖・増殖が起こる


4.エフィルの分類

エフィルは生態・特徴により以下の4種目に分類できる。
ヴォーナ
 「屍」
ライフの動植物とシルエットに変化は見られない

最も旅人との接触回数が多いため、個体数も多いと予想する

以下に該当しない場合は、この種に分類する

ハスク
 「抜殻」
肉体から意思、魂すらも抜け落ちたもの
あるいは、もともと生命の宿らない土塊や金属などが、自発的に行動を起こしているもの
人為的に生み出した土人形はこれには含まれない

ホルム
 「幻惑」
実態を持たないもの
 ヴォーナから離脱した心や、強い怨念が凝縮されたもの

物質を通過できるものと、できないものとがある
目視できない呪いの種を振りまいているらしく、近寄ると精神へ作用する

リフス
 「変異」
異形。ハスクでありながら、ホルムを纏っているなどの特例も含まれる
複数の意志を持ち、かつ常に2以上の意思を発揮している
個体数はもっとも少ないと見られる一方、もっとも高い能力を有する

加えてそれぞれを動物と植物に分類することができる


5.注釈

魔獣と同一視されることがあるが、これは間違いである。魔獣とは理性を失ったライフである
日没後に行動することから日光を苦手と解釈することもあるが、ライフが月光を苦手としないことと同一である

肉食で凶暴というイメージは偏見である。防壁の外に畑を持つ者が野菜を頻繁にとられるレポートや、夜の森でエフィルの団らんを目撃したレポートもあがっている(〔302 エフィル〕 No.18227、No.61771参照)

生と死という観点から、ライフが死するとエフィルとして活動を開始すると考えられることがある
これについてはなんらかの条件があるらしく、変化する個体もあれば変化しない個体もある
ホルム種の特性から、恨みや呪いは変化を誘発する可能性があるという報告例もある