マームー草
世界中を荒らして回ったゴーレムの涙が育てたという伝説のある雑草。
花が咲くと紫と黄色が鮮やかで、その花粉はヒトの心をなぐさめる。
■おはなし
今の文明が栄えるよりもずっとまえ、心ない魔女が世界中の「うつくしさ」を我がものにしようと、とても恐ろしいゴーレムを作りました。
しかしゴーレムはうつくしいものを集めていくうちに心もうつくしく染まっていって、やがて自分のしていることに悲しみを感じ始めたのです。
でも魔法で作られた体はいうことを利きません。
ゴーレムは涙を流しました。
するとそれまで見向きもされなかった雑草がみるみるうちにうつくしくなって、きれいな花が咲いて実を結び、ゴーレムの全身に種を植え付けました。
種は瞬く間に育ち、ゴーレムの土でできた体に根をはりました。
そしてゴーレムの体はあっという間に緑に染まり、ぽろぽろと崩れていきました。
カタリダケはよく喋る
湿り気と風通しのいいところに生息するカタリダケ。
話術に毒があるため、あまりいい印象を受けないのが難点だが、我慢して耳を傾けるといいことを言ってることに気づくだろう。
生活環境から陰湿な性格と見られがちだがこれも誤解である。
歴史上の名言は、足元で育っていた彼らが影でつぶやいたものが8割だとの噂もある。
カタリダケ(イネ科)
イネ科のタケは御日様が好き
同名のカタリダケはキノコであるが、こちらは竹である。後に発見されたことから、不本意ながら正式名称として括弧()がつく運びとなった。
このことについて本人らは「他所は他所、家は家」と気さくに話すことからわかるように、とてもさっぱりした、まさに竹を割ったような性格が特徴である(個人差有り)
竹であるため、群れを成して一カ所に集中的に生息する。移動する時もみんな仲良く行動をともにする。地下茎が繋がっていることから「ファミリー」ではなく「個人」であると指摘されることがあるが、意思・感覚・性格ともに異なるためこれは誤りであり、この質問は彼らにとって最大の無礼である。一族としてこの誤認識を改めるべく動いているため、その罪の重さを身をもって体感することになるだろう。繊維が固いので刺さるとかなり痛いので気をつけるように。
カタリグサとはなんなのか
あらゆる場所で生活している我々《カタリグサ》をもっと知って欲しいのです。
この文献を資料館にだそうとしたところ、カテゴリーが〔303 動物〕を否定されました。少し悲しい思いをした昼下がりの出来事でした。
たまに私たちを踏んでいくヒトがいます。負けるつもりは無いのでいちいち口はだしませんが(私だけ?)あれは痛いです。茎が折れると心が折れます。
語るだけで歌わないと思っているヒトがいます。私たちは噺家ではありません。種族名がカタリグサなだけで普通に生きています。
ごく稀にお茶にしようと収穫するやつがいます!勘弁してください><!
愚痴っぽくなったのでこのくだりは断ちましょう!
アイテム:祈りの実
想いを届ける不思議な木の実。
味は食べる人の心に応じて変化する。
優しい気持ちは甘い蜜。
デリケート :とても腐りやすい。
シャキシャキ:硬めの皮に覆われた果肉はシャキシャキしてみずみずしい。
イガイガ :真ん中には大小様々な大きさの種が5~6個あり、これはそろって苦くてイガイガ。
ノンプロセス:加工しようとするとたちまち異臭を発してしまう。