Atradium

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破壊の要塞アロケル

各地に点々と現れては破壊の限りを尽くす極悪非道の謎の集団
「アロケル」とよばれる漆黒の箱状の要塞の考察をまとめた
また、いくつかの昔話と照らし合わせてみて浮上した疑問定義もいくつか


既成事実

アロケルの防御能力について、判明している情報は以下の通りである


難攻不落の不可侵装甲

7層の対属性シールド > 超高密度重金属装甲 > 電子結界 > 未知の素材

・属性シールド
各層が特定の属性に対する絶対的な防御能力を発揮
層の順番は出現時によって異なっている
発生装置(ジェネレータ)はシールドの先の金属装甲に各層4機ずつ装備(すべて独立で駆動可能=理論上すべて破壊しなければシールドは数十秒で再結成される)
突破するには7属性を正しい順番で打ち込み、同時に4基のジェネレータを破壊する必要がある


・超高密度重金属装甲
光の反射を皆無とするコーティング加工
推定厚2メートル(誤差±10センチ)
高電圧網がパネルに埋め込まれている
砲撃、乗組員の出入りのタイミングでのみ、表面のパネルが移動し隙間が発生する


・電子結界
登録済みの乗組員のみが出入り可能なフィルタリングの効果
通行証がない場合は膜のようなものにはじかれる
裸眼では認識できないが、赤外線スコープでうっすらと捉えることができる
エネルギーの運動方向は反時計回り


・未知の素材
液体のようでありながら硬質で、透明感・光沢感は存在しない
既存の言葉で表現するのであればそれは限りなく「無」に近い物質


アロケルの行動パターン

アロケルの移動速度は、4地点での目撃情報からの平均で推定200km/h
ただし最高速度と停止時間が別にあることを忘れてはならない
風向きや天候にはほとんど左右されていないようである
出没地点の関連性は不明
1箇所への滞在時間に差がある(現時点での記録では3週間、4ヶ月、7ヶ月、1年)
到着から攻撃開始までしばらく沈黙の期間がある
退散後は決まって大地が死ぬ


アロケルの攻撃手法

攻撃開始直後は乗組員の出撃数は少ないが、時間経過とともに増加する
アロケルから直接の攻撃は砲撃、レーザー、巨大魔法陣展開、ノイズパルスである(一部を除いて属性シールド下に取り付けた武装を乗組員が操作する)
地点への「とどめ」は乗組員ではなくアロケル自体から発せられる黒い光線(?)によってなされる



推論

以上のことから、アロケルは地点へ出現してしばらくは「偵察」を行い、段階的に攻撃を強めていくスタイルをとるようである
また、基本的な略奪・破壊行為は乗組員らによってなされ、本体は補助的に働き、最後まで能力をセーブ、あるいは乗組員らによって最後の一撃を放つためのエネルギー回収を行わせているように伺える
最後に放たれる黒い光線を受けると大地は急速に衰弱しやがて死することから、光線にはエネルギーを吸収する作用があると思われる

童話「世界創世記」や「大地創世記」の作中に、星が宿す生命力を奪うことで星自体を我がものにしようと企む組織が存在する
前者での企ては個人によるもので、行動も基本的に単数であった
後者は同志を集めたグループが団体で行動するものであった
どちらも共通して、星の生命力を奪う際には歴史の深い建造物や、地域のシンボル的な自然物を襲撃している
また、それらを破壊すると淡く輝く光の帯のようなものが地面から沸き出し、襲撃者はいずれもそれらを集めていた(前者は自身の体内へ、後者はビンのような容器にそれぞれ収納する)

アロケルの破壊してきた地点は上記のような条件に合致するか、いまだ共通点は判明していないが、あえていうのであればアロケル自体が星の生命力を回収している容器の役割を持っている可能性は大いにあり得る
童話の中では私利私欲もあれば、他の星々、あるいは銀河系の望み、神より遣わされたなど、行動の原点は多岐にわたる。アロケルは周辺環境も容赦なく破壊していることから、考えられる行動理由としては「私利私欲」が最も適しているだろう
仮に童話になぞらえてアロケルが作られたのであるとするならばその弱点はイソギンチャクであるが、作戦へ協力的だったかつての王エノメナ氏は海を襲う一撃から多くの命を守るために殉職した。
これ以上の犠牲を出さないためにも、一刻も早いアロケルの討伐が願われる。