Atradium

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硬派な我慢とツケで後回し

誰でも戦いの中で怪我をすることがあります。
痛いですね。本当に嫌になります。
痛いと戦いに集中できなくなっちゃいますもんね。

ここで紹介するのは「戦闘技術」とはいっても、実際のところは気持ちの問題です。
強い精神力を持つものだけが扱える、それもとても硬派な手法。
私も師範に教わったのみで実際に扱うことはできませんが、物好きな方のために記しましょう。



意識から痛みを除いてしまう

攻撃を受けてダメージを負ってしまうことは仕方が無いことです。
どれだけ鍛えても、手負いになればモチベーションも能力も100%の発揮は難しくなってしまいますね。

でもその原因は、「痛い」と思ってしまう、意識そのものにあるのです。
よく街で耳にする、いまできることと未来にできること、過去にしてしまったことの境界をしっかり見極めるというあのセリフを、ここに引用して応用してみましょう。
「この怪我の痛みはあとで思う存分味わえばいい。いまは目の前の戦いにだけ集中する」
どうでしょうか。

ちょっとこれはハードルが高いですよね。
さすがにこれだと傷口が開いてしまったり、出血がひどくなって危険な状態になりかねません。
そもそも意識の問題でどうにかなるレベルではないと思います。

そこで、痛みを我慢する上の次元へステップアップしましょう。


体からも痛みを除いてしまう

どうにも師範によると、極限まで精神を鍛えたものだけが辿り着ける「精神の領域」なる空間があるそうで、そこで商人のようなものと約束を取り付けておくことで、受けるダメージを一時的に別の箇所にとりおいて、後日まとめて清算する、ということが可能になるのだそうです。
てっとりばやく言い換えると、痛みをツケておく、ということですね。

・・・ある意味で無敵になることができる夢のような手法です。
師範はこれを私たち弟子達に実演するべく、好きなだけ攻撃を畳み掛けるように言いました。
信じられないことに、師範は傷ひとつ負うことなく、笑って攻撃を受け続けていました。
その数日後に師範は医療魔術師を収集させて、数日間治療を受け続けていました。

まず精神を鍛え上げると言う時点で一般人には辿り着くことが難しく、そのうえ危険度の高い技法です。ツケているので下駄を履かせられることも考えられますし、第一莫大なダメージを一斉に浴びることになるので身体が持つようには思えません。

本当に物好きな方専用の手段なのでしょう。