全知の杖

描いた魔方陣や唱えた呪文、発動した魔法を記憶してくれる賢い杖。
孤高の仙人タータスが三千年愛用したことで自我が芽生え、そしてその力を宿したという伝説が残されている。

万能の杖

キャッシュワンドの主な特殊能力はふたつ。
一つ目は所持者の心を少しずつ吸い上げて、杖の中に蓄えるチカラ。
二つ目が所有者が使った魔法を覚えること。

杖が記憶している魔法は、杖の中に蓄えられたチカラを使うことで発動する。
だから魔法使いは自分の使える魔法の数に、杖が使える回数分多くの術を使うことができる。
これは長期戦がとても有利になる付加能力だ。
また、記憶した術は即座に発動できるので、複雑な魔方陣や呪文をノーモーションで繰り出せる先手必勝の場面でも活躍する。

欠点は、この杖を持っているだけで魔法の効果が減ってしまうことと、杖が蓄えているチカラの量は誰にもわからないこと。
それから意思というよりかは本能レベルでも、自我を持っていること。

タータスは杖をいくつかに割って世界中にばらまいたらしく、このマジックキャッシュワンドはこれまでに68個くらい発見されている
それぞれが高貴な魔法使いの元に渡っており、仮に今すべての杖が一ヶ所に揃い本来の姿に戻ったならば、その絶大な魔力と記憶した魔法の数により歴史は一気にひっくり返されてしまうだろう。