Atradium

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宇宙を抱えて飛んでゆけ、クモンニスカ

別名:拡散式衛星第弐型

電気工学や機械技術が発展している科学の先進国「イヒコ王国」では、もう数百年も昔から空の上がどうなっているのかを知るための研究を続けている。
クモンニスカは、イヒコ王国が作り上げた”知恵を求めた知恵の結晶”で、空の上に向かって打ち上げられた累計7番目の人工衛星だ。空の上にたどり着いてから、数十の小型衛星を放出する「拡散型」としては、前身のカスカに次いで2代目である。



無限の探求

クモンニスカはイヒコ王国の科学者、モモノス=カヴィラ博士によって開発・制作指揮が取られた巨大な国家プロジェクトで、空の上まで無事に翔び、到達できた初の衛星である。
前身の衛星カスカ(ニクマニ語で「求め」)は、竜が飛ぶ限界高度といわれる、高度5800メートルに達した時点で気圧と引力の変化に耐えられずに大破している。
王国のヒトビトの期待と希望を背負って、ニクマニ語の「無限の探求」から名付けられ、上空での「拡散」に成功した際に名誉を称えて同ニクマニ語の称号「ヒルゥ」を与えられた。


空が教えてくれるもの

拡散することで衛星は意図通り、広範囲からの情報を収集することができたと思われる。
というのも、クモンニスカから放たれた小型衛星には記録装置と観測装置、そしてわずかな機動力しか備えていないため、本体に回収されなければ地上に情報を送ることができない。本体自体にも行動を満足に行えるだけのエネルギーを搭載していないため、収集したデータは小型衛星が再び密集する、拡散からちょうど3年後にならないと回収できない。
無事にクモンニスカが実験を成功できれば、天候、地理、夜間のエフィルの活動など非常に他分野の研究にめざましい躍進をとげさせると期待されている。


なお執筆時現在、クモンニスカの本体はイヒコ王国から大陸2つ分離れたコノミノ皇国上空を飛行している。