Atradium

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アンガーアンカー

かつて海原を制した伝説の船「アンガーアンカー」
その功績と後世に伝わる物語の数々を紹介しよう…



船長の名は、ニック=ダブリン=ハイクソン。
通称「しゃくれ鷲鼻の長タマネギ」 愛称は「アボカド」
怒りっぽくせっかちだった彼が率いたギルド「シースクラッパー」は総勢120名、荒れ狂う海を相手に挑んだ先駆者であり、英雄である。


彼の愛船は当初「ウェーブニル」と呼ばれていた。
後にハイニクソンの性格と功績をたたえて、怒りの碇「アンガーアンカー」と呼ばれるようになり、彼もまたこれを受け入れて改名、正式名称となった。(船自体も当初とはかなりカスタマイズが施されているため、まるで別の船と捉えることもできなくはない)
※以降船は「アンガーアンカー」の名で称する


海原の大功績

アンガーアンカーが開拓した海は30を超える。
あちこちに点在する危険な渦潮や海峡、氷山、魔物の巣窟を次々と解明し、多くの旅人の足と商人たちの流通経路を作り上げた。
また、治安の悪かった海賊の入り乱れる海「クァリプゼ」を統一し、近隣地域一帯の環境改善を行った。
しかし一方で海賊行為を行っていた記録もあり、海辺の都市「トゥークンベルト」では秘伝の財宝と王家の娘、それから牧場の土が持ち去られている。(この娘は後にハイクソンと正式な婚約を発表し、次世代の名高い冒険者を世に送り出すこととなる)


未開の地を転々と渡り、各地で太古の遺産や、封印された魔術書、オーパーツ、財宝を集めた話も有名で、これらはそれぞれが独立した短編として、君たちの近くの図書館にも納められているだろう。(誰しも一度は読んだであろう小説「マコークス海峡の大水晶」の主人公のモデルも、実はハイニクソンであると著者は明言している)
ここではその数の膨大さから紹介は割愛する。


海を旅した者の最後に、手にしてきた全ての財産を隠す習慣も、ハイニクソンが作り上げた。
老いて最後の渡航に立つ際で、港で見送る者たちに静かに告げた「怒りの碇は海の怒りを鎮める楔として永久の墓標として眠り続けようぞ」のフレーズには涙を流した者も少なくないという。
なお、この「海の怒りを鎮める場所」については未だ解明されていない。


前述したハイニクソンの子等は時折海の女神の声を聞くという。(私の耳には届かない)
彼らの性格はハイニクソンを継承せず十人十色で、こうして語り部となる者もいれば、名前を隠して冒険者となった者も、あとを継ぐと海へ旅立った者、商人となったもの、学者となったもの、様々いる。