Atradium

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カタリダケはよく喋る

湿り気と風通しのいいところに生息するカタリダケ。
話術に毒があるため、あまりいい印象を受けないのが難点だが、我慢して耳を傾けるといいことを言ってることに気づくだろう。
生活環境から陰湿な性格と見られがちだがこれも誤解である。
歴史上の名言は、足元で育っていた彼らが影でつぶやいたものが8割だとの噂もある。



祖先を辿るとカタリグサと共通するっぽい。どうやら口論によるもめ事で分家したらしく、お互いの仲は今も悪い。
自称歴史研究家のカタリグサによると、口論の原因は醤油(カタリグサ)とソース(カタリダケ)のどちらを卵焼きにかけるかだった。
しかし一方でカタリダケの研究家は、おやつにキノコ(カタリグサ)とタケノコ(カタリダケ)のどちらを食べるかだったと主張している。

手は出さずに声を出すが、胞子を放つこともある。
胞子には種類があり、毒やフェロモン、雨乞い効果の含まれるものなどを臨機応変に使い分ける。

色、大きさ、形、味、におい、模様は多種多様だが、カタリダケの分類は中身で行う。
中身というのは、しゃべり方のこと。
《ドクキノコ》 毒舌を吐く
《トゲキノコ》 刺々しい口調で話す
《アベコベダケ》嘘をつく

悪意があるのか無いのかは本人のみぞ知る。