Atradium

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アイテム:祈りの実

想いを届ける不思議な木の実。
味は食べる人の心に応じて変化する。
優しい気持ちは甘い蜜。


デリケート :とても腐りやすい。
シャキシャキ:硬めの皮に覆われた果肉はシャキシャキしてみずみずしい。
イガイガ  :真ん中には大小様々な大きさの種が5~6個あり、これはそろって苦くてイガイガ。
ノンプロセス:加工しようとするとたちまち異臭を発してしまう。



落葉高木の《ウィッシュメープル》は、「星と繋がる木」、「神道木」、「女神樹」などの別称をもつ。
麒麟の背丈くらいの若木に3年に1度花が咲き、そのあと一本の木につき1つだけ実がなる。
枝葉とつるが実を守るために発達し、鳥の巣のような形になるためかえって目立つ。が、実を奪おうとするものには容赦なく全身を使って攻撃してくるため、収穫は難しい。願いや祈りをもたない、平常心が勝る心理状態の者にはさらに凶暴化して襲いかかる。
暴れている状態から実を奪い取ると、木も実も瞬時に枯れてしまい、収穫者にも呪いがかけられる。この呪いは名高い魔女《リュドミラ=ブレイズ》率いる魔術学チームによって、解く術無しと公言された。呪いの内容はこれまでの症例から、深層心理の願いと真逆の作用が自身に生じることだと推測される。
安全に収穫するには、余程の強い祈りを持って木と交渉する他ならない。



想いを届けるのは効能ではなく、それを信じた伝説に由来する。

伝説には、
 強力な願いはこの実を通じて大地へ還り、陸を廻り、やがて届けられる
 届けられた元には新芽が芽吹く
 黒い祈りには赤い花が、白い祈りには黄色い花が添えられる
とあるが、現実にも、
 新芽は親木から異なる大陸からでも発見される
 新芽が出る場所の近くには集落がある
 新芽の脇には決まって花びらが散っている
といった調査結果や「届いた」という実際の報告が出ているため、想像・架空の能力とは言い切れない。