Atradium

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オクティーバ

いろいろと謂れのあるエフィル。

おそらく最も研究の進んでいるエフィル。
一説では幸運をもたらすとか、病を運ぶとか、生ものの足が速くなる呪いをうけるとか、根も葉もない捏造話も山ほど。どれが本当でどれが嘘なのか、あえてそこには触れないで、オクティーバの奇妙な行動や特徴をかじってみる。



オクティーバ

エフィル ヴォーナタイプ

 外見のパターンはかなり幅があり、体高や色から識別するのは困難である。とりあえず、足が6~12本くらいあって、表面が少し柔らかそうに感じたらオクティーバだと思っていい。ただし、足に吸盤があったり、翼を持っていたり、呼吸音があまりに大きいようであるなら別のエフィルの疑いが強いので認識を改めるように。


 ほとんどが単数で行動しており、自身のありあまる足を持て余しているのか無駄の多い動作でのんびりと移動する。あまりにうねるその仕草から軟体なのかと思われるが、調査の結果で内部にはきちんと骨が通っていることが判明している(ただし骨折していても動きに変化はないので、この骨は退化が進んでいると考えられている)
歌なのか鳴き声なのかは不明であるが、移動中は妙にリズムの良いビートのきいた音を発している。発音する器官が複数あるため音はよく広がり、またややぽっちゃりした体格が内部で音を反響させるため、これがまた憎めない。
旅人のなかにはこの音(便宜上以下「歌」で統一)に歌詞を乗せたり、楽器を加えて録音して街でアレンジ大会を催すなど「エフィルらしくない」扱いを受けているエフィルである。これらの歌は「オクティーベ」と称される。また、一部の気取った音楽愛好家からは「反生協奏曲」とも呼ばれている。


 もちろんエフィルであることも忘れてはならない。冒頭に記したようにオクティーバには逸話が山ほど作られるだけの「脅威」になる部分も含まれており、決してライフとの共存ができる個体であるというわけではない。実際に戦闘になった場合、オクティーバは柔軟な足を巧みに扱ってライフの動きを抑制し、底面に隠されている鋭い牙を持った口をあらわにしながら歌い続けるという、自身の歌に酷いトラウマを植え付ける嫌味な行動を起こす。さらに気が済むまで歌い続け、その期間は一晩とも一週間とも十年とも、声がかれるまで永遠ともいわれている。確実なのは、解放されるまでの期間が定かでないことと、グロテスクな口をいつまでも見させられる精神的なダメージを永続的に与えてくるということだ。
 直接傷を付けるようなことはほとんどなく、唯一ライフを殺めるのは空腹の時だけである。といってもオクティーバはエネルギー効率が良いようで(嘘のようだが本当に)一旦ニンゲン一匹を口にすれば、数年から十数年間は一切の食事を必要としない。
 弱点は頭から生えている三本の触角。非常に敏感なようで、ここを刺激するだけで一目散に逃げていく。三本すべてを同時に破壊しない限り瞬時に回復してしまうが、同時破壊が成功すれば石化して砂になる。なお、この砂は喉に良いといわれているが、薬草を用いて毒素を中和しておかないと中毒を起こす可能性があるので注意すること。