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エフィルを喰らう異常狂食性ライフ
ある生物は、我々にはとても考えの及ばないものを食し、糧として生きている。
その食材とは「エフィル」。
抜殻:ハスク、死骸:ヴォーナ、幻影:ホルム、変異:リフス、そのすべてを、分け隔てることなく喰らうことができる彼らは、言葉通り「エフィルイーター」と呼ばれている。
唯一無二の特殊能力
エフィルイーターの最大の特性は、どんな種族のエフィルでも弊害をうけることなく食せるという点にほかならない。他の種のライフでもその血肉を調理すれば食すことは一応は可能である。しかし食料として”食べ続ける”ことは、エフィルが体内に持つ特有の毒素のような成分によって非常に困難である。
この毒素はある一定量まではライフにとって無害であるが、許容量を超えたときに、魔獣化、最悪の場合にエフィル化が起こる。また、毒素は一旦体内に入ると生涯排出されることはなく蓄積し続けるために、過剰摂取による変異が起こった場合に治療する術は存在しないと見られている。
エフィルイーターはこの特有の成分に耐性を持っており、どれだけ摂取しても、それが原因で魔獣化/エフィル化が発症することはない。なお抗体を持つわけではなく、あくまで体質としての耐性であるため、ここから血清を製造することはできないのである。
幽体を飲む喉
異質なエフィルの中でもとりわけ特異な存在ホルム。その実体の持たない魂だけの・・・あるいはエネルギー体のまま意思を持ったそれは、熟練の冒険者でさえ危険視する存在である。
エフィルイーターの喉はそのホルム種でさえ捉え、そして飲み込むことができる。実体がない故に物質を通過できるはずのホルムでも、彼らの臓壁は通り抜けることができずに静かに消化されていく。
本能の強い突然変異種
ここまで特徴を紹介したが、エフィルイーターという固有の種族が存在するわけではない。エフィルイーターとは、ありとあらゆるライフの中で極稀に生まれる突然変異の一種である。
統計によるデータでは、この特異能力を持って生まれたライフは通常よりも本能に従順となる傾向にある。故に周囲の目を気にすることなく、飲食に対する欲求が強い。これは周りのライフからは不気味な光景そのもので、事情を知らない者が多いと集落を追われ、野生化することになる。エフィルにとってイーターは天敵であり恐怖の対象であるため、一度集落から彼らが姿を消すとエフィルは復讐に集まってくるようになることがある。